表面利回りに要注意! 不動産投資で損しないための超基礎知識
投資として不動産を購入するとき、大きな判断材料になるのが利回りです。
しかし、不動産投資では利回りに気を取られすぎると、思わぬ落とし穴に足をすくわれることになりかねません。
それでは、不動産投資で損しないためにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
この記事では、不動産投資で表面利回りについての基礎知識や注意点について記載していきますので、不動産投資を考えている方は参考にしてください。
表面利回りと実質利回りの求め方
投資用の不動産広告には利回りが表示されています。
ここに表示されているのは「表面利回り」を指すことがほとんどです。
そこで、まずは表面利回りがどのように計算されるのかを知っておく必要があります。
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件購入価格×100%で計算されます。
例えば、物件購入価格が4000万円、毎月の賃料が15万円なら表面利回りは4.5%と計算されます。
このように表面利回りは物件価格と賃料収入が分かれば簡単に計算できます。 しかし、実際の不動産投資ではさまざまな費用が必要です
。物件購入時の手数料だけではなく、税金や火災保険なども考慮に入れる必要があります。
これらを考慮したのが「実質利回り」です。
実質利回り(%)=(年間賃料収入-年間必要経費)÷(物件購入価格+物件購入時の経費)×100%で計算されます。
表面利回りと比較すると、実質利回りはより現実に近い数値になります。
先ほどと同じ物件で年間の経費として30万円、物件購入時に200万円の経費がかかったとします。より現実に近い実質利回りは約3.6%まで低下します。
利回り計算の落とし穴
表面利回りと実質利回りの違いのほかに、利回りには注意点があります。
中古物件では多くの場合、「満室想定賃料収入」や「現況賃料収入」という記載があります。
現在は空室があるけれども空室が全て埋まり満室であると仮定した場合の収入が「満室想定賃料収入」です。
投資用の不動産広告では「満室想定賃料収入」で利回りを計算することが一般的です。
したがって、現在の賃貸状況の確認は欠かせません。また退居の予定がないのか、未収賃料がないか確認することも重要です。
最も恐ろしいキャッシュフローの落とし穴
さまざまなリスクを考慮し、利回りを厳しく見積もったとしても不動産投資は万全ではありません。
中長期的にキャッシュフローを確保できなければ借入金の返済不能や、運転資金が枯渇することもあります。
例えば、減価償却費です。
税制上、一定年数が経過すると減価償却費を計上することができなくなります。
その結果、節税効果がなくなり税金の支払いが増え、現金の流出が増えます。
また、定期的に修繕費が必要となることや、物件が老朽化すると賃料の下落も考慮しなければなりません。
このように、不動産投資は利回りだけでは判断できない多くの要素があるのです。
不動産投資で損しないために必要なのは多面的なリスク分析
投資の判断基準として利回りは重要な指標です。
しかし、表面利回りだけで判断すると損をしてしまう可能性があります。
そこで、より現実的な収支を考慮した実質利回りも併せて検討すべきです。
さらに、キャッシュフロー表を作成して、将来にわたり資金繰りに支障をきたすことがないかを確認する必要があります。
このように、不動産投資は多面的にリスクを分析し、慎重に投資することが求められるのです。