2022/07/27 10:38
【分譲マンションを買うVS賃貸マンションで家賃を払う、どっちがお得?】
マンション選びの際に悩むのが「分譲マンションを購入するか、それとも賃貸マンションにするか」という点でしょう。
実は同じ物件に40年、50年と住み続ける場合、住宅にかかる費用の総額にはあまり差がないと言われています。
しかし、「お金が必要なタイミング」が、分譲マンションと賃貸マンションでは異なります。
マンション購入・入居にかかる費用
分譲マンションを、住宅ローンを組んで購入する場合、物件購入費用の3割程度の頭金、その他の諸費用として5%~8%程度の資金を準備できるのが望ましいでしょう。
そして購入・賃貸の両方に言えることですが、住宅関連費の支払い(駐車場代も含む)を「年収の20%以内」に抑える計画を立てましょう。
住宅ローンの契約をする場合「返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)」に関しても審査がありますので注意してください。
いっぽう、賃貸マンションに入居する場合は、敷金(家賃1カ月分)、礼金(家賃2カ月分)、仲介手数料(家賃1カ月分)などがかかります。
住宅ローンは返済が終わる時期が来る
分譲マンションを購入すると、住宅ローンを毎月支払うことになりますが、返済期間が過ぎると支払いの必要はなくなります。
ただし、分譲マンションの場合は、住んでいる期間中に物件の修繕やリフォームが必要となった場合は、貯蓄などからその費用を捻出していく必要があります。
たとえばシステムキッチンの入れ替えには100万円~150万円、システムバスの入れ替えには50万円~150万円などの費用がかかります。
他にも給湯器の寿命や内装の劣化などが始まりますので、おおむね10年に1度、支出があると考え、費用の準備をしておきましょう。
その他に、マンションの共用部分の修繕などにあてられる管理費・修繕積立金の支払い、そして固定資産税・都市計画税も支払いがあります。
なお、購入から10年間は、住宅ローン控除を受けることができます(2016年1月27日現在、今後法改正の可能性もあります)。
賃貸マンションの場合は毎月の家賃、更新料(2年に1度)を支払い続けることになります。
入居時以外には、更新料を除いてはまとまった支出が必要ないのが賃貸マンションのメリットです。
なお、入居後数年以内に、契約者に万が一のことがあった場合についても考えておきましょう。
住宅ローンの利用は団体信用生命保険への加入が前提となっているため、契約者が亡くなった場合や、高度障害の状態となった場合は、その後の住宅ローンの支払いを心配する必要がなくなります。
いっぽう、賃貸マンションの場合、契約者が高度障害の状態となっても、家賃などの支払いを続けなければなりません。
賃貸マンションは転居しやすいメリットが
賃貸マンションは「まだ、家族の形が確定しておらず、子どもが増えるかもしれない」
「子どもがある程度の年齢になり、独立・結婚などで家を出るかもしれない」という場合に、家族の形に合わせて違う物件への引越しを考えやすいというメリットがあります。
転勤などの事情が発生した場合も対応しやすいです。
しかし、分譲マンションで、特に住宅ローンの支払いが終わっていない場合は売却・転貸などの方法はありますが、転貸には借り手探しや、事務手続きなどの手間暇がかかることになります。
ライフステージに合わせた物件選びを
若いうちに分譲マンションを購入し住宅ローンを組むことのメリットは
・返済期間を長く設定でき、毎月の返済額を無理のない範囲に抑えられる
・物件・住宅ローンの選択肢も幅広くなる
などがあります。
いっぽうで、年齢が高くなってからの分譲マンション購入は、
・ライフスタイルや家族の形がある程度決まっているため、物件選びでの失敗が少ない
・頭金を多く準備できるため、住宅ローンで支払う金額を抑えることも可能になる
というメリットがあります。
「若いうちは賃貸で、頭金にあてるお金が貯まったら分譲マンションを購入しよう」と考えていても、年齢が高くなると、健康状態の問題で団体信用生命保険に加入できず、住宅ローンが組みにくくなるというリスクもあるため、注意しましょう。
また、マンションに入居した時点で「最新の設備」とされていたセキュリティ装置やキッチンなどの設備も、時間が経てば古くなります。
賃貸マンションであれば「新しい物件へ引っ越すことで、最新の設備が整ったマンションでの暮らしができるようになる」というメリットがあります。
住宅ローンを利用する場合は、定年退職を迎えた時点でローンの支払いも終わるように設定することができます。
しかし、賃貸マンションに住むことを選び続ける限り「家賃と更新料」は支払い続けることになります。
そのため、定年退職で収入が減る場合に備えて、あらかじめ無理のない家賃で住める物件を選ぶ、あるいは家賃の安い物件に住み替える、などの対策を考えましょう。
分譲マンションの購入、賃貸マンションへの入居、どちらにもメリット・デメリットがあります。
今後のライフスタイル、マイホームという資産を手に入れることを目指すのか、あるいは引っ越しが気軽にできる自由さを優先するのか、よく検討して選びましょう。
2022/07/22 14:30
日銀 金融緩和策を維持 物価の見通しは+2.3%に引き上げ
日銀は今年度、2022年度の物価の見通しについて、エネルギーをはじめとした原材料価格の高騰などを背景に、前の年度と比べてプラス2.3%と、これまでのプラス1.9%から引き上げました。
また、いまの大規模な金融緩和策を維持することを決めました。
日銀は21日までの2日間、金融政策を決める会合を開いたのに合わせて、最新の経済と物価の見通しをまとめた「展望レポート」を発表しました。
それによりますと、今年度、2022年度の生鮮食品を除く消費者物価指数の見通しは、政策委員の中央値でプラス2.3%と、前回、ことし4月に示したプラス1.9%から引き上げました。
これについて日銀は、ロシアのウクライナ侵攻の影響でエネルギーや食料品、耐久財などの価格が上昇しているためだとしています。
日銀はデフレ脱却に向けて、2013年に2%の物価上昇率の実現を目標として掲げ、これを安定的に持続するために大規模な金融緩和を続けてきましたが、今回の見通しで、この目標に達した形です。
ただ、日銀は、原材料価格の高騰を要因とする、いまの物価上昇は、賃金の上昇や需要の増加を伴っていないことから、家計の実質所得の減少や企業収益の悪化を通じて経済の下押し要因になるとしています。
こうした情勢を踏まえ、日銀は、短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ%程度に抑えるよう国債を買い入れる、いまの大規模な金融緩和策を維持することを、賛成多数で決めました。
そして、新型コロナの感染拡大の影響を注視し、企業の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努め、必要があればちゅうちょなく追加の金融緩和に踏み切るとしています。
松野官房長官「適切に金融政策運営行うこと 期待したい」
2022/07/21 10:41
日銀 あすから金融政策会合 物価見通し 2%台に引き上げの方向
日銀は20日から開く金融政策を決める会合で、原材料価格の高騰を受けて、今年度の物価の見通しを、目標とする2%台に引き上げる方向で議論することにしています。
一方、日銀は景気を下支えするため、大規模な金融緩和を維持する方向です。
日銀は20日から2日間、金融政策を決める会合を開き、景気の現状や経済と物価の見通しなどについて議論します。
このうち物価については、ロシアのウクライナ侵攻の影響で原油や小麦など原材料価格の高騰が続いていることから、今年度の物価上昇率の見通しを、前回4月に示したプラス1.9%から引き上げる方向で議論することにしています。
見通しが引き上げられれば、日銀が目標とする2%に達することになりますが、日銀は、原材料価格の高騰を受けた今の物価上昇は、賃金や需要の増加を伴っておらず、家計の実質所得の減少や企業収益の悪化を通じて、経済の下押し要因になるとしています。
黒田総裁は、安定的な物価上昇に向けて景気を下支えするため、大規模な金融緩和を続ける考えを示していて、会合では、こうした方針が確認される見通しです。
また会合では、日米の金利差などを背景に急速に進む円安や、新型コロナの感染再拡大が経済や物価に与える影響などについても議論することにしています。
2022/07/20 09:15
平均給与433万円…世界主要33か国で「日本だけが賃金下落」という衝撃的な事実
日本人の平均給与433万円…この物価高に耐えられるか?
連日の物価上昇のニュースに、ため息しかでない今日この頃。
家庭で消費するモノ・サービスの値動きをみる5月の物価上昇率は、前年同月比の2.5%、生鮮食品を除くと2.1%。主な項目をみていくと、電気代は18.6%、ガソリン13.1%、生鮮野菜が13.1%。家計において大きいところでは、携帯通信料がマイナス22.5%。
専門家は携帯電話利用料の値下げの影響が一巡したことも大きかったと分析しています。
日本の物価上昇は8.6%のアメリカや9.1%のイギリスに比べると、まだまし、といった状況ではありますが、急激な物価上昇はやはり家計には厳しいものがあります。
また今回の値上げラッシュ、頻繁に購入するものほど変動率は高く、購入頻度がまれなものは変動率は低いという結果に。
そのためより物価上昇を実感することになっているようです。
今後、原料高に企業が耐え切れず、コスト上昇分を商品転嫁する動きは加速。
さらなる物価上昇が予測されています。
国税庁『民間給与実態統計調査』によると、2020年の日本人の平均給与は433万円。
男性正社員だけに限ると532万2,000円、女性正社員に限ると292万6,000円です。
正社員の平均的な賞与から考えると、男性正社員の月収はおよそ35万円、手取りにすると26万~27万円程度。
この給与水準で、今回の物価上昇を耐えるのは、少々厳しいといったところでしょうか。
もともと政府・日銀は2%の物価上昇を目標としていましたが、今回の物価上昇によって「目標達成」といかないことは、誰の目でも明らか。
今回の物価上昇は賃金上昇、需要増加という、プラス要素を伴わないものと日銀がいうとおり、賃金も物価上昇率以上にあがるという好循環があれば、この値上げも歓迎されるものになりますが、それは日本の現状を顧みると、あまりに非現実的だといえます。
物価上昇は年内いっぱい続くだろう、というのが大方の見方。
私たちは、ただただ耐えしのぐ以外の方法はありません。
1995年賃金=100とした際の「賃金上昇率」…あまりに無残な日本の順位
前述のとおり、物価上昇率以上の賃金上昇はあまりに非現実的です。
昨今の平均給与の推移をみても、そう断言するほか、表現が見当たりません。
「給与はあがるのが当たり前」という常識は、バブル景気の終了とともに完全の崩壊したといっていいでしょう。
戦後、サラリーマンが初めて給与減を経験したのは1993年のこと。この年、前年比99.5%と、わずかながら給与減を日本のサラリーマンは目の当たりにしました。
その後、同程度の給与水準をキープしますが、不良債権問題が本格化した1998年に、前年比99.1%と給与減を記録。
以降「8年連続前年比割れ」という緊急事態に陥り、さらにリーマンショックの余波が日本を襲います。
2010年代に入ると、アベノミクスによって賃金は上昇傾向にありましたが、次にコロナ禍が日本を襲います。
コロナ禍の経済回復も世界から遅れ、さらには今回の物価上昇で経済回復への期待も崩れ去りました。
日本において「賃金上昇」、その経験は忘却の彼方といったところでしょうか。
OECDの発表によると、1995年の賃金を100とした際の賃金上昇率で、対象33ヵ国でトップとなったのは「エストニア」で967.6。
「リトアニア」「ハンガリー」「メキシコ」「ポーランド」と続きます。
先進7ヵ国で比較すると、トップは「米国」で222.8
「英国」「カナダ」「フランス」「ドイツ」「イタリア」と続き、「日本」は圧倒的なビリ。
もちろん、対象33ヵ国の中でも圧倒的な最下位です。むしろ、この30年弱で唯一「給与減」となっているのは日本だけなのです
(関連記事:『世界ランキング「賃金上昇率」…世界主要国33ヵ国で比較』)。
賃金上昇=経済成長というならば、相対的な比較とはいえ、この30年弱、世界の主要国で日本だけが衰退しているといえます。
このように、この日本、世界的にみても、かなり危険な状況なのです。