2022/09/12 11:10
【消費税12%、医療費6割負担…防衛費5兆円増で生活苦の未来】
「防衛費の相当な増額を確保する決意を表明し、バイデン大統領から強い支持を得た」
5月23日、バイデン大統領との会談後の記者会見で、岸田文雄首相は胸を張りながらこう語った。
政府は、6月7日に閣議決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」で、ロシアのウクライナ侵攻などに触れ、日本周辺の安全保障環境が厳しさを増しているとして《国防予算をGDP(国内総生産)比2%以上》を目指すと明記した。
’22年度の防衛費はGDP比約1%で約5兆4000億円。これを2%にした場合、あらたに5兆円が必要となることにーー。
「防衛費を倍増することで、日本は、アメリカ、中国に次いで世界で3番目の軍事費支出国になります。軍隊を持たないと世界に宣言している国が軍事大国になってしまうのです。
しかも、そのしわ寄せは確実に家計に及びます」
そう語るのは「暮らしと経済研究室」主宰の山家悠紀夫さん。
■国債頼りは危険。しわ寄せは家計に
防衛費の倍増の財源は明らかになっていない。安倍晋三元首相は「(国の借金である)国債で対応すればいい」と語っているが……。
同志社大学の浜矩子教授(国際経済学)がこう憤る。
すでに現在の国債発行高は、第二次世界大戦時と同じレベルです。
軍備増強のために、国債を発行することは憲法違反の可能性も。
忘れてはならないのが国債の返済にはその分の金利を支払う必要があること。
今はほぼゼロ金利ですが、今後、インフレや円安などから金利が上がる可能性も少なくない。
財務省によると、国債の金利が1%上昇すると2年後の年利払いは3.7兆円増えると試算。その負担は、国民にのしかかってくるのです。
国債に頼らない場合、別の予算からの付け替えが予想される。前出の山家さんが語る。
声が大きくないところから予算の削減をするのが今の政府の特徴。
狙うのは年金、医療、福祉など社会保障費です。
たとえば高齢化により医療費自体を抑えることは難しいなか、国民の自己負担を増やしていくしかない。
防衛費が増額した5兆円分をそのまま医療費に換算すれば、医療費の窓口負担3割の人が、6割負担になる試算もあります。
さらに、今でさえ年々減額されている年金受給額も、5兆円分をそのまま充てることになれば、現在約4000万人の受給者の年金が年12万円減額します。
より現実的なのが消費増税だ。
「かりに防衛費の倍増分を税収でまかなうためには、2%の消費増税が必要に。
それでも欧州に比べて消費税率が低いことから、経団連からも19%に引き上げろと圧力があります。
防衛費のGDP比をNATO(北大西洋条約機構)並みに引き上げようとしている岸田首相が、消費税も欧州並みにという理由だけで、消費税12%に引き上げても不思議ではありません」
■政府はただ国民を不安に陥れている
そうなると、家計は苦しくなる一方だろう。
ところが、先月、毎日新聞が行った世論調査では、防衛費について「大幅に増やすべき」との回答が26%。
「ある程度」の回答も合わせて8割弱が増やすべきだと答えた。
早稲田大学の水島朝穂教授(憲法学)が語る。
「これは不安感に便乗する政府の常とう手段の影響です。
たしかにロシアのウクライナ侵攻、弾道ミサイルの発射実験を続ける北朝鮮や軍事的活動を活発化する中国などを脅威と感じる人はいる。
しかし、その脅威を客観的に捉えることなく、政府はただ危機をあおりたて、国民を不安に陥れて防衛費の増額を画策しているのです」
この防衛費の倍増は、日本のためにもならないと語るのは、上智大学の中野晃一教授(政治学)だ。
「岸田首相がバイデン大統領に語った決意は、増額した防衛費で『アメリカからたくさん武器を買います』というもの。
潤うのは国民ではなく、アメリカの軍需産業です。
保育や教育など社会保障に税金を使う人への投資は、いずれ税収が増えたり、納税者人口が増えたりするなどの相乗効果が期待できます。
ところが、防衛費を増やして、武器を買っても雇用も生まれず、維持費だけがかかる。私たちの経済や暮らしが好転していくことはないのです」
最後に前出の水島教授が語る。
「岸田首相は、防衛費の倍増の財源や中身を示さないまま7月10日の夏の参議院選挙に突入していきます。
つまり有権者たちは判断材料が不十分なまま1票を投じることに。
不安だからと投じた票によって、次の国政選挙があるまで思いどおりにできる“黄金の3年間”を政府に与えてしまうことも。
防衛費の倍増が、生活や暮らしをどれほど締めつけ、どのような事態を招くのか、立ち止まって想像してみてください」
上昇し続ける物価、上がらない賃金。国民の生活を第一に考えるのならば、軍備拡張よりも優先すべきことがあるだろう。
2022/09/09 12:00
【国民国民年金 保険料の納付率 10年連続前年度上回る】
自営業者などが加入する国民年金の保険料の昨年度の納付率は、73.9%と、10年連続で前の年度を上回りました。
一方、保険料の納付を全額免除または猶予された人は、新型コロナの影響もあり、612万人と過去最多になりました。
厚生労働省によりますと、国民年金の保険料の昨年度(令和3年度)の納付率は前の年度より2.4ポイント上がって73.9%と、10年連続で前の年度を上回りました。
これを年代別に見ますと、▽55歳から59歳までが80%と最も高く、▽25歳から29歳までが62.1%と最も低くなりました。
一方、保険料の納付を全額免除または猶予された人は、前の年度より3万人増えて612万人と、今の制度が始まった昭和61年度以降で最も多くなりました。
これは、新型コロナの影響で収入が減った人たちを対象に、納付を免除するなどの特例措置がとられたことも背景にあると見られるということです。
厚生労働省は「若い世代や未納者への周知、広報などにより、納付率のさらなる向上に努めたい。
新型コロナの影響を受けた人には、引き続き、特例措置の利用を呼びかけたい」としています。
2022/09/07 10:12
ポニーテールの22歳女は「老後の不安」のため詐欺グループに 報酬は「貯蓄に」 “2億円”コロナ給付金裁判・傍聴記
法廷に現れたポニーテールの女
不正受給は数十件 報酬60万円
「老後の不安」のため犯罪に加担
父親の”言葉”に涙ぐむ被告
2022/09/02 10:17
日高屋、値上げ&グランドメニュー変更を発表 一部の野菜を国産化「安心安全な商品を」
2022/09/01 11:10
【カルビーがポテトチップスなど値上げへ、最大20%-内容量変更も】
カルビーは、エネルギーや原材料価格の高騰は「自助努力のみでは吸収が極めて困難」だとして、9月以降ポテトチップスやシリアルなど幅広い商品の値上げに踏み切る。
22日の発表資料によると、5-20%程度の値上げになる。
9月1日納品分から順次改定する。
「ポテトチップス」51品のほか、「フルグラ」やおみやげ商品なども対象になる。
同社は1月以降、北海道産じゃがいもの収穫減収などを理由に「ポテトチップス」や「じゃがりこ」の価格や内容量を改定していたが、継続するコスト増で値上げせざるを得なくなったとしている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の角山智信シニアアナリストはリポートで、計画通りの値上げでサプライズはないとしながらも、
現状のコスト前提を踏まえた発表は「下期から来期にかけて業績ビジビリティー(透明度)を向上させる点で評価できる」
との見方を示した。同社の値上げに対する強気な姿勢の表れで、今後は値上げによる需要の変化に注目したいという。
ロシアによるウクライナ侵攻などを背景としたエネルギー・原材料価格の高騰や円安に対し、国内各社は対応に追われている。
今月に入りエスビー食品や宝ホールディングス傘下の宝酒造、モスバーガーなどによる値上げ発表が相次いでいた。
発表を受けてカルビー株は急反発し、一時前日比5.1%高の2561円と1カ月ぶりの日中高値を付けた。終値は3.7%高の2529円。