2022/11/04 11:03

【賃貸の初期費用】本当に支払わないといけない? 主な8つの費用を解説します。

賃貸を借りるときの初期費用は多い

賃貸物件を借りるときの初期費用は高いと思われることがあると思います。

そして物件によっても初期費用はさまざまです。

賃貸物件の契約は頻繁に行うものでもないので、つい請求書どおりに払ってしまうこともありますが、節約できるものもあります

賃貸を借りるときにかかる初期費用からどんなものがあるか、見てみたいと思います。

 

賃貸を借りるときの節約ポイント

 

1. 仲介手数料

物件を契約するときに案内をしてくれた仲介会社に支払う仲介手数料です。

最近仲介手数料の割引をうたっている不動産業者さんも多くあります。

契約時にインセンティブが出る物件もあるので、割引ができる幅が物件ごとに違います。

事前に希望物件が決まっている場合はネットで割引できる不動産業者を検索してみましょう

なお仲介手数料を安くするために、1度見た物件で不動産会社をハシゴするのはトラブルの元です。

不動産業界ではおすすめはできませんので注意してください。

2. 敷金

大家さんに預ける費用です。

退去の時に原状回復費用を差し引かれて戻って来ます

3. 礼金

契約時に大家さんに払う費用です。

不動産会社へ支払うインセンティブの原資になっているケースもあるので、初期費用が負担になる場合は交渉してみましょう。

なお、敷金・礼金は地域によっては保証金・敷引制度など土地慣習があります

 

初期費用は案外かかります

 

4. クリーニング費用

退去時に支払うクリーニング費用が先払いになっているケースがあります

あまり交渉はできません。

5. 保証会社

最近は連帯保証人をつける代わりに保証会社をつけてもらう場合が多くなってきました

連帯保証人をつけることで保証会社に入らなくてもよければ、その分が節約になります。

加入すると1~2年ごとに追加費用がかかります。

6. 火災保険

自分の家財の補償金額の大小で金額が変わってくるので、少しでも節約したくて補償額が小さくても良い場合は、自分で保険を選べるか聞いてみましょう

その保険は更新の際にも再加入になります。

7. 室内消毒料や消火器など

オプションですが、管理会社から加入を強制される場合もあります

もし不要な場合は交渉してみましょう。

8. 24時間サポート

物件にトラブルが起きたときの初期対応を行うために、入居者に加入を勧める物件が増えてきました。

もし必要がない場合は、不要であると伝えてみましょう。

これも1度入ると基本的には更新時に再加入です

初期費用は管理会社によって違う

初期費用は管理会社によって違ってくる場合があります。

かかる初期費用は図面に書いてあるのでわかりますが、その中のオプションの費用が強制か任意かは管理会社によって違います。

いろいろなものが強制または任意かで、その管理会社のスタンスがわかります。

申込の段階でどのくらい費用がかかるのか必ず見積もりを取るようにして、不明な費用は必ず確認するようにしましょう

契約金はまとまっていますが、探すときに数千円の家賃の差を物件比較で悩む方も多いと思います。

初期費用も節約できるものがありますので、良いお部屋探しの一助になれば幸いです。

 

2022/11/03 10:08

年金制度の「マクロ経済スライド」について、教えてください

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。

老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。

そんな年金初心者の方の疑問に回答します。

今回は、年金の給付額を決める際に用いられる「マクロ経済スライド」という仕組みについてです。

 

Q:「マクロ経済スライド」って何?

「年金額を決める際には、マクロ経済スライドという制度が、使われていると聞きました。どんな制度なんでしょうか?」(30代後半・会社員)
 

A:賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです

「マクロ経済スライド」とは、平成16年'(2004年)の年金制度改正で導入されたもので、賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みのことです。
 
基本的に、賃金や物価が上昇すると年金受給額も増えますが、これは年金給付の財源は、現役世代からの保険料が主なものであるからです。

少子高齢化が進行すると、保険料を負担する現役世代の人数が減り、年金を受け取る高齢者の人数が増加していきます。

賃金や物価が上昇して、年金受給額も増やすと、少子高齢化が進むにつれて、多くの年金財源が必要となり、その財源の多くを担っている現役世代の保険料負担が重くのしかかってしまいます。

これを防ぐために一定期間、年金給付額を、賃金や物価が上昇するほどは増やさず、緩やかに年金の給付水準を調整し、財源の範囲内で年金の給付を行うという仕組みです。

つまり、年金を受給している人も、一部負担しているということになるのです。

具体的には、賃金や物価による改定率から、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。

「現役世代の人数の変化」と「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」をマクロな視点で見て、給付水準を自動的に調整するため「マクロ経済スライド」と名付けられたのです。

2022/11/02 11:00

退職後は年2回の旅行と、たまに孫たちへプレゼント…毎月どのくらいの収入が必要?

 4784ED31-4061-43A4-97E1-38C9B4B6D70B.jpeg

「年に2回は旅行して、孫たちにも定期的にプレゼントを買ってあげて……」など、ゆとりある老後を送りたいと考えたとき、公的年金を含めて、毎月どれくらいの収入が必要となるのでしょうか?
 
定年退職した後に訪れる、老後の生活と収入について考えてみます。

老後の最低限の生活費にいくら必要?

まずは、老後に必要な生活費がいくらくらいになるか、調査の平均から考えてみましょう。
 
公益財団法人 生命保険文化センターが実施した「令和元年度 生活保障に関する調査」によれば、老後に夫婦2人の毎月の生活費として最低いくらぐらい必要かという質問に対し、回答された金額の平均は22万1000円でした。
 
【図表1】

図表1
 
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
 
回答の分布をみると、全体の20%近くが30万~40万円未満としているほか、15万円未満と考えているケースもあります。
 
こうした差は、地域やライフスタイルなどの違いにもよると推定されます。
しかし、月々22万円程度を1つの参考として、現時点で自分たちの生活費が夫婦2人でどれくらいかかっているか計算し、そこから老後の生活費がいくら必要なのか、確認しておきたいところです。

ゆとりのある老後生活にはどれくらいのお金がかかる?

次に、例えば年2回の旅行をしつつ、たまに孫へのプレゼントを贈るなど、ゆとりのある老後の生活を送るためには、どのくらいのお金が必要となるのか考えてみます。
 
この点について、同じく公益財団法人 生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、経済的にゆとりのある老後生活のために、最低限の生活費に上乗せが必要な金額は、平均で14万円となっています。
 
結果として、老後にゆとりがある生活を送るためには、夫婦2人で1ヶ月に36万円程度の生活費が必要となりそうです。
 
【図表2】

図表2
 
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
 
中には、ゆとりある生活に毎月40万円や50万円以上の生活費が必要と考えている方もいます。
 
また、必要な上乗せ額は旅行やレジャー、子や孫への援助など使い道にもよりますが、老後を満喫しようと考えている場合、月36万1000円を目安に老後の生活費について計算して、現役世代のうちから老後資金を準備することが重要になるでしょう。
 

 

ゆとりある老後の生活費に相当する収入を得るには?

老後の主な収入源となる公的年金は、令和4年度の場合、老齢基礎年金では満額で月額6万4816円であり、夫婦2人合わせても12万9632円と、ゆとりある生活費の36万1000円にはほど遠い金額です。
 
厚生年金に加入していた場合でも、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は、月21万9593円(※)と、14万円近く不足します。

※日本年金機構による、平均的な収入で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と夫婦2人分の満額の老齢基礎年金)の給付水準。
 
この14万円から24万円程度の不足分を補うには、貯蓄を切り崩していくほか、現役時代からiDeCoなど個人年金に加入して年金収入を増やす、資産運用などで老後資金を用意する、また老後もパート・アルバイトや再就職、定年延長などで老後も働き、収入を得ることが必要です。
 
いずれにせよ、年金収入と合わせて毎月約36万円の生活費を得ることはそう簡単ではないため、現役時代の早いうちから老後資金の準備を始めるだけでなく、老後の働き方などについても考えていかなければなりません。
 

老後を満喫するなら生活費の上乗せ分の確保を!

定年退職後のライフプランなどにもよりますが、夫婦2人でのゆとりある生活を送るためには、公的年金を含めて毎月36万円程度の支出が賄えるだけの収入、あるいはそれだけの貯蓄や資産の確保が必要となりそうです。
 
老後の生活を満喫したいと考えるのであれば、今回紹介した平均額などを参考に、必要な生活費を一度確認し、それを賄うことができるように、早めに準備を進めていくようにしてください。
 

2022/11/01 10:30

「老後2000万円問題」は序の口!物価上昇で年収500万世帯はほぼ壊滅か

B31232AE-D057-4C06-8460-159B0CCA648D.jpeg

「マクロ経済スライド」という支給抑制策で今後30年間、年金額はほとんど増えないことが本誌「週刊朝日」先週号の独自調査で判明した。

高齢者が相対的に「貧乏」になっていく構図は、支出の柱である「生活費」と比べるといっそう鮮明になる。浮かんでくるのは「老後破綻」の4文字である。

2019年に起こった「老後資金2千万円問題」。

金融庁の審議会が高齢者世帯の家計の先行きを試算したところ、年金などの収入だけでは2千万円足りなくなる結果が出たとするものだった。

「そんな大金、準備できるはずがない」などと大きな論議を巻き起こし、多くの人に「老後資金といえば2千万円」という刷り込みを与えた。

あれから3年、金融界では今も余波が収まっていない。

激しく反応したのは将来不安にかられた若い世代だった。

金融機関のセミナーに競って参加し、証券会社に口座を開いた。

とりわけ活況を呈したのが「積み立て投資」だった。

運用益が非課税になる「つみたてNISA」は20年に110万口座増、21年は倍の210万口座も増加した。

6~7割は20~30代という。

しかし考えてみると、若い世代は老後までの準備期間が長い。

資産形成がうまくいけば、そのぶん楽になるし、働き続けていれば給料も上がっていく。

一方、これからリタイア年齢を迎える60代、50代の中高年はどうか。

現時点からの資産形成は、リスクの取りすぎに注意が必要となり、限定的だ。貯蓄による準備で「万全」と言える人は皆無だろう。

頼みの綱はやはり終身でもらえる国の年金……とすると、「2千万円問題」に正しく反応すべきだったのは、やはり中高年ではなかったのか。

そんな見方を裏付けるように、その中高年に驚愕の「数字」をたたきつけたのが本誌先週号(6月17日号)の特集記事「あなたがもらえる『本当の年金額』!」だった。

なんと、年金額はこの先30年以上、ほとんど増えないことがわかったのだ。

簡単におさらいしておこう。

公的年金は今、高齢化による財政悪化によって「マクロ経済スライド」という支給抑制策が取られている。

賃金や物価が伸びるほどには年金額を増やさないようにして、年金を「目減り」させる方策。

1年ごとの「目減り」は小さくても、20年、30年と長期に及べば「ちりも積もれば……」で大きくなる。

19年の財政検証の「ケースV」(経済成長と労働参加が一定程度進むケース)の経済前提を使って、ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫上席研究員に今後もらえそうな「本当の年金額」をシミュレーションしてもらったところ、次のような結果が得られた。

・現役の平均収入(額面)は現在の月額「45.11万円」が54年度には「73.34万円」にまで上がる
・一方、生涯(20~59歳)の平均年収500万円の会社員世帯(同い年の専業主婦と2人)が受給する年金は当初の月額「21.57万円」が「23.55万円」にしかならない

つまり、現役の収入は6割以上も増えるのに対して、年金額は1割弱しか上がらないのだ。

年金額がどんどん「目減り」していき、その結果として「世の中の水準」に比べて高齢者が相対的に「貧乏」になっていく構図である。

生活費増えるが
年金額は横ばい

これだけでも衝撃的だが、先週号でも触れたように、今回のシミュレーションは得られた年金額を家計レベルにまで落とし込むことをめざしている。

ファイナンシャルプランナー(FP)が家計診断のツールとして使う「家計の長期予想表」(「キャッシュフロー表」と言う)の考え方を使って、年金の「目減り」が将来の家計にどのような影響を与えるのかを調べるのである。

比較する対象は、家計の基本中の基本といえる「生活費」だ。

先週号では、生涯の平均年収500万円の会社員世帯と同700万円の会社員世帯の「家計の長期予想表」(簡易版)をシミュレーションした

。期間は夫婦が100歳になる54年度まで。収入は「年金額」、支出は「生活費」に絞って年間収支(年金額-生活費)を出し、その累計を求めた。

生活費は標準的な家庭を想定し、総務省の家計調査なども参考にして「月額25万円」(年額300万円)とした。

先週号のシミュレーションで見たとおり、年金額は「マクロ経済スライド」の結果、30年間ほとんど上がらない。

しかし、生活費は物価上昇(ケースVは年間0.8%)に合わせて毎年少しずつだが着実に値上がりしていく。

当初の300万円は32年度に「332万円」と約1割増になり、44年度には「365万円」に、そして54年度は「396万円」まで膨らむ。

6E7467FF-B702-4584-ACC2-E7D0C11CA16F.jpeg

 

長い間のデフレ経済に慣れてしまったため、「モノの値段は上がらない」という先入観をお持ちの方も多くおられることだろう。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻などで原油を筆頭に各種商品の「値上げ」が相次いでいる今こそ、頭を切り替えてほしい。

経済の成長に合わせて物価が適度に上がっていくことこそがノーマルな状態なのである。

さて、増えていく「300万円」の生活費と増えない年金額を比べた結果はどうか。

「年収500万円世帯」は、ほぼ壊滅状態だ。

夫婦の年金額は月21.5万円がスタートだから当初から赤字、そして生活費は毎年増えるので赤字幅は年々膨らんでいく。

最初のころは40万円台、50万円台だったのが50年には100万円を突破する。同様に「累計赤字額」も膨らみ、最終54年度は「2774万円」の赤字だ。

物価に負けると
「赤字」が膨らむ

かつては「インフレに負けない」点が公的年金のメリットだったが、「マクロ経済スライド」で「インフレに負ける年金」になる結果だ。

一方、「年収700万円世帯」は、年金額が月3万円ほど「500万円世帯」より高いのでここまでの赤字は出ない。

年間赤字額は100万円以下で済み、累計赤字額も100歳で1200万円弱でおさまる。

つまり、累計赤字額程度を100歳までに準備できればこの家計は成り立つ。

ただし、700万円世帯はやや高給取りをイメージしていることを思い出してほしい。

現役時に高収入だった家計はおのずと膨張する

支出が増え、それを減らせない家計が多いのだ。

従ってむしろこのケースは、やや高給取りがリタイア後の生活費を「300万円」程度に抑えられた場合には、この程度の赤字額で済む、と解釈したほうがいいだろう。

その証拠に、高給取りらしく旺盛な消費生活を続けるとみられる前半の20年間、つまり84歳までの生活費を2割増の「月30万円」として試算すると、85歳以降を今と同じ「月25万円」に抑えても累計赤字額は「2500万円」近くまで膨らんでしまった。

 逆に、「500万円世帯」が85歳以降の生活費を2割減の「月20万円」に抑えると、累計赤字額は「1600万円」程度でおさまった。

 

このように少し条件を変えると、見える「マネー風景」が違ってくる。

だからこそ自らの家計への影響度合いを把握するために、「マイ・家計の長期予想表」を作ってみてはどうだろう。

「ねんきん定期便」やふだんの家計簿を参考に、さらには夫婦でリタイア後の生活を話し合って、夫婦の年金額や生活費を自由にカスタマイズしてほしい。