2022/12/12 10:05
原宿に新商業施設 24年春開業。表参道・明治通りの交差点
神六再開発と東急不動産は、表参道と明治通りが交差する神宮前交差点で進めている再開発事業について、商業施設を2024年春に開業することを発表した。
竣工は2023年8月予定。
事業名称は「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」。
表参道と明治通りが交差する神宮前交差点に位置する立地特性を活かした、沿道の賑わいを結ぶ新たな拠点の創出、安全な歩行者空間形成、周辺住環境に配慮した立地特性に相応しい賑わい創出を目指す。
建物は建築家の平田晃久氏が外装・屋上デザインを手掛ける。
また、「『創造的な消費体験』を提供し、新しい文化を生みだす」ことを掲げており、様々なクリエーターが、彼らの想いに共感する生活者コミュニティとともに創造的な消費体験を提供し、短期的な流行ではない、長期的で新しい文化を生み出していく、新たな文化発信拠点となることを目指す。
施行地区は東京都渋谷区神宮前六丁目1000番。
敷地面積約3,085m2、延床面積約19,940m2、地上9階・地下3階。店舗のほか、公共公益施設、鉄道用変電施設、駐車場等を計画している。
2022/12/02 12:44
日本のおひとり様高齢者…「家賃滞納で強制執行」に潜む、恐ろしい実態
日本の持ち家率は、およそ6割。
年齢が上がるにつれてその割合は高まり、高齢者になると9割近くにもなります。
ただし、一人暮らしの高齢者に限ると、その割合は6割近くにまで下がり、その分、賃貸派が増えます。
そこには「引越ししたくても叶わない」という高齢者を取り巻く問題があるようです。みていきましょう。
【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
高齢者の5人に1人が1人暮らし…その3割が賃貸派
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会による賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』によると、2020年下半期、2ヵ月以上の家賃滞納率は1.1%。
100件に1件の割合で家賃滞納が起きています。
「家賃が払えないほど困窮している」というと、すごく遠い世界のように感じる人も多いと思いますが、賃貸住宅が100戸あったら、そのうち1戸は家賃滞納状態。
すごく身近な問題だといえるでしょう。
家賃が払えないほどの状態になるのは、やはり低所得者に多く、なかでも問題視されているのが、単身の高齢者です。
総務省統計局『令和2年 国勢調査』によると、高齢者の約5人に1人が一人暮らし。
さらに住居の状況をみていくと、持ち家率が66.2%、公営・都市再生機構(UR)が11.6%、民営借家が21.7%。
単身高齢者の3割強が賃貸暮らし。ちなみに、同世代の二人以上世帯の持ち家率は9割弱と、圧倒的に持ち家派となります。
高齢者の収入源といえば年金。
厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均受取額(国民年金+厚生年金)は、65歳で14万5,557円。
70歳で14万3,755円。75歳で14万7,519円、80歳で15万7,097円、85歳で16万2,711円。
実際にどれくらい年金を手にできるかは一人ひとり異なるので一概にいうことはできませんが、単身のおひとり様高齢者、ここから家賃を払い、日々生活していくには、決して楽ができる水準とはいえないでしょう。
「ちょっと生活が苦しいから、家賃の安いところに引っ越そうか……」。
そう考えたとしても、実現には高いハードルがあります。
株式会社R65が行った調査によると、高齢者の4人に1人が「不動産会社に入居を断られた経験がある」と回答。
さらに「5回以上断られた」という経験がある人は13.4%にもなります。「引越しを考えたら、借りられるところがなかった」、ということも珍しくないのです。
家賃が高くても引越しができない…単身高齢者の特殊事情
単身の高齢者。
悠々自適というイメージがありますが、実際は自由な転居はハードルが高いなど、制限も多いもの。
さらに収入が年金に頼らざるを得ない状況では経済的な不安、さらには老いによって健康面においての不安も大きくなっていくでしょう。
そして自由というメリットも、次第に孤独というデメリットになっていきます。
厚生労働省『令和3年版高齢社会白書』によると、65歳以上の人の近所との付き合いの程度をみていくと、単身の高齢男性は「あいさつ程度」が52.0%、「つきあいはほとんどない」が13.7%。一方で単身の高齢女性は「親しくつきあっている」が34.6%、「あいさつ以外にも多少のつきあいがある」が28.4%。女性のほうが社交的で、男性のほうが孤独状態になるリスクが高いといえるでしょう。
そして「孤独死(誰にも看取られることなく亡くなっ た後に発見される死)を身近に感じる」という回答は、二人以上世帯では3割強であるのに対し、単身世帯では過半数を超えます。単身世帯は、より危機感が強いということです。
そして東京都監察医務院によると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の自宅での死亡件数は、2019年に3,936人。
約4,000人近い孤独死が発生しているのです。
家賃が振り込まれない……そこで大家は再三にわたり家賃を払うよう連絡するも音沙汰なし。
仕方がなく、強制執行の手続きを進めているなか、孤独死であったことが判明する。このようなケースは増加傾向にあります。
結婚しなかったり、またはパートナーに先に絶たれたり。
高齢者が単身である理由はさまざまですが、いまや孤独死は社会問題。
自身で孤独に陥らないよう対策を講じることはもちろん大切ですが、高齢者を孤独にさせない取組みも進めていかなければなりません。
2022/12/01 10:00
東京23区年収ランキング…1位「港区」と23位「葛飾区」、思わず唖然とする給与格差
男女で、学歴で、会社の規模で…格差広がる「日本人の給与事情」
原油価格の急騰、四半世紀ぶりの円安水準、そして連日の値上げのニュース。
幅広い日常品の値上げラッシュに家計負担の増加も身に染みる、今日この頃。
さらにこの夏以降、コスト高を吸収できず、さらに価格に転嫁されていくといわれていますから、そろそろ、我慢の限界といったところでしょうか。
街中では参議院選に向けて、物価高騰対策が大きな争点になっていますが、専門家は「各党とも場当たり的」と分析。
またいつものように期待するだけで終わってしまうのか、それとも実行され、私たちの生活が楽になるのか……ぜひとも、後者であってほしいと願わずにはいられません。
そもそも急激な物価上昇も、私たちの給与がそれに伴い上がってくれれば問題のない話。
ただ各方面でいわれている通り、日本人の給与はこの30年停滞気味。
その間、規制緩和で非正社員が増加したこと、働く女性や高齢者が増えたことなど、労働者の構造が変わったことで、数値的に停滞しただけ、という意見もあります。
確かに「給与額の停滞」よりも「給与格差の広がり」のほうが、実感としてあるかもしれません。
たとえば男女差。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、男性会社員の推定年収は546万円に対し、女性会社員の推定年収は385万円と、その差は161万円。
また同じ男性会社員でも、高卒の推定年収は478万円、大卒の推定年収は631万円、大学院卒の推定年収は793万円。最終学歴が高校か、それとも大学かで、153万円もの給与差が生じています。
企業規模ではどうでしょうか。
従業員規模10~99人企業に勤務する男性会社員の推定年収は454万円。
一方、従業員規模1,000人以上企業では643万円。企業規模によって給与差は189万円になります。
さらに雇用形態による格差もさらに大きなものがあります。
男性正社員の推定年収は571万円。
一方、男性非正社員では342万円と、その差は229万円。
積極的に非正社員を望んでいるのであればいいのですが、望まざるして非正社員という人にとって、この格差は残酷です。
都心の「港区」と下町の「葛飾区」…給与差3倍
さらに居住する地域によっても、給与格差は生じています。
都道府県別にみていくと、推定年収のトップは「東京都」で595万円。
一方、47位は366万円。同じ日本でも、229万円の給与差があります。
また「東京都」といっても、区が23、市が26、町が5、村が8と、62の市区町村があります。
23区だけみても、住んでいる人、働いている人はまったく違いますから、年収事情も大きく違いことは想像するに難くないでしょう。
総務省『令和3年度課税標準額段階別所得割額等に関する調』で、東京都23区、それぞれの年収事情をみていくと、トップは都心に位置する「港区」で1,184万6,562円。
23区で唯一、1,000万円の大台を突破しました(関連記事:『最新「東京23区平均年収ランキング」…2021年度データで算出』)。
「港区」といえば、青山や白金など、全国区の高級住宅地が点在。さらに高さ60m・20階以上の高層マンション、いわゆるタワマンが多く集積し、成功者が住むエリアというイメージが強いエリアです。
東京商工リサーチ『全国「社長の住む街」調査』では、住民の7人に1人は社長という、驚くような結果が出ています。
一方で23位は東京都の東部に位置する「葛飾区」で356万8,147円。
1位「港区」とは、同じ23区とはいえ、実に3倍近くの給与差が生じています。
同じ23区でこの給与差。その原因は色々と考えられますが、そのひとつが就業構造。
「葛飾区」をはじめ下町は、職住一致の中小零細工場、いわゆるブルーカラーが多く、管理的商業や専門的技術的職業の人が多く住む都心地域と比べて、平均給与で比較した際に、見劣りがしてしまいます。
50年前、都心と郊外区の地域では給与差は1.5倍程度でしたが、都心から工場が移転し続けたことで、都心のホワイトカラーの比率は拡大の一途。
それにより、都心と郊外の給与差は3倍にまで広がっていったのです。
このように東京23区だけに注目しても、給与の地域間格差が生じていること、それが就業構造の違いによるものだということが分かりました。
今後、街の変化によっては、都心とそれ以外の格差は縮まっていくかもしれません。